メンバーの主体性と、”人”の尊重が組織を変える

[インタビュー]熊谷和美さん【株式会社 PAPABUBBLE JAPAN 執行役員】

大丸東京やルクア大阪、GINZA SIX など、感度を刺激するコンフェクショナリーフロアに出店し、宝石のような繊細なキャンディとそれを創り上げる豪快なパフォーマンスとで老若男女を魅了している株式会社PAPABUBBLE JAPAN様(以下:パパブブレ)。

そんなパパブブレの魅力を創出する従業員のみなさんが受講されている「リーダーシップ・アクションプログラム(以下 LAP)」「チームリーダーシップ・アクションプログラム(以下 TLAP)」について、本プログラムを選択いただいた理由や、研修導入後の変化などについてお話を伺いました。

インタビューイー:株式会社PAPABUBBLE JAPAN 執行役員 熊谷 和美氏
インタビューアー:株式会社 ビジネス・ブレークスルー 臼井龍三

インタビュー日:2018年7月某日 都内某所

◆リーダーシップ研修導入のきっかけ◆

(臼井)まずはじめに、パパブブレさんでBBTのリーダーシップ研修(LAP/TLAP)を導入されたきっかけについてお聞かせいただけますか。

(熊谷)きっかけは、私の上司の菅野(株式会社PAPABUBBLE JAPAN 創業者)がLAPを受けていて「LAPいいよ!」って強く勧められまして、私もLAPを受講したことが始まりですね。「私たち上が変わらないと、やっぱり部下って変わらないよ」って。そういう思いがありました。
その頃、店舗が増え会社が大きくなりメンバー(従業員)が増えてきたことで、さまざまな価値観を持つ人が多くなってきたんですね。「パパブブレの飴が好き」という点は同じでも、「仕事に対する思い」だったり「人としてどうあるべきか」というようなところがぶれた時期があって。今までのやりかたから「変わらなきゃいけない」という思いがありました。

(臼井)なるほど、自ら上が変わるということですね。その後、御社の中でLAPやTLAPの受講を広げていただいていますね。

(熊谷)そうですね。私自身もLAPをやってみて、とても良いプログラムだと思いました。それまでは本を読むなど独学で進めていたのですが、LAPで1年間という期間をかけて学んだことで、自分のリーダーシップに自信を持ち、考えが深くなりましたし、落ち着きが出てきました。そして、私がLAPで学んだことを私から社内のメンバーに教えるよりも、会社の外で様々な業種や職種の人とたくさん関わって「自分で気づくこと」が大きな成長になると思い、メンバーに TLAPを受講させています。

(臼井)メンバーに対して、どのような期待をお持ちですか?

(熊谷)次世代を担ってほしいという思いですね。期待する社員で、本人の成長度合いや学びのタイミングの合ったメンバーから順次参加してもらってます。

(臼井)御社の業界(製造・小売業)で従業員に「リーダーシップ」を学ばせる企業というのは珍しいのでは、と思いますが、御社のビジョンやミッションに響くものがあったのでしょうか?

(熊谷)そうですね。見た目かっこいい店づくりなどはお金をかければ出来ますが、「人」の部分は他のなにものに代えられないですよね。一人一人が生き生きと働けて会社を強くしたいという想いがあります。TLAPで受講しているメンバーは、一番吸収していろんな学びを得る20代~30代前半の若手ですので、ただ仕事だけとか遊びだけで終わらず様々な体験をしてほしい、という気持ちもありますね。

(臼井)一社員というよりは、社員の人生に寄り添っているような?

(熊谷)企業としてメンバーを雇った以上はその責任があり、人として成長して欲しいと思います。例えば転職や結婚でパパブブレを卒業(離職)したとしても、この先の人生が続いていくなかで、その人にとっていい人生を送って欲しい、「あの時大変だったけど成長した、身になったよね」と、パパブブレで過ごした時のことを思ってもらいたいですね。

◆リーダーシップ研修導入後:受講者の変化について◆

(臼井)実際受講された方の変化や成長についてお聞かせいただけますか?

(熊谷)それぞれの成長速度、もともとの伸びしろは個人差がありますので、一概に「こう変化しました」というのは難しいですが、総じて言えるのは「学ぶことで自分は変われるんだ」という自信、「学ぶことは身につくんだ」という文化が定着したという点です。学生時代ふくめてほとんど勉強してないメンバーも多いんです(私もなんですが)。本を読むなんて中学校以来・・・というメンバーが本を読んで理解して行動に起こす。そうすると変わるんだっていうことが、会社の文化として根付いたところがあります。
あとは、共通言語の広がりです。仕事でミスをしたり思い通りにならないときに、「あの人が悪い」「あの人に言われたからやった」というような、どうしても他人に矢印が向きがちな所を、「自分が選択してやる」「他責にせず考える」と、自分ごとに落し込む。そういう空気になったことが大きいと思います。

(臼井)研修導入以前はどんな状況でしたか?

(熊谷)たとえて言うならば、、、そうですね、誤解を恐れずに言うと「動物園」みたいでした(笑)。メンバーみんなそれぞれが、自分の好き勝手に仕事をしている状態です。もう少し言うと、「その場、そのときに上から求められた成果を出すために、個人がそれぞれに頑張っている」のだけれど、メンバーの向いている方向がバラバラで落ち着きがない。
その頃はいわゆる「トップダウン」のやりかたをしており、それなりの成果は出ていたと思いますが、メンバーが100%の成果を出せたのかと言うとどうなのかなって、今になって思います。私のリーダーシップの未熟さにより、当時は無理させた部分もあったと思います。
先程お話したように、「自分に自信を持つ」「自分が選択してやる」「学ぶことは身につく」「学ぶことで自分は変われる」という共通のものができるまでは、そんな状況だったと思います。

(臼井)組織が拡大することで、より共通の価値観や文化が根付くことが大切になってきた、、、ということですね。
熊谷さんから見て、受講前と後で特に変わったな、とか、成長したな、という印象を受けた方はいらっしゃいますか?

(熊谷)例えばKさんは印象的ですね。自分の思いがとても強く、それはけして悪いことではないんですがチーム内で衝突することがまぁまぁあったんですね。TLAPを受講していろんな人と接し学びを得たことで、広い視野で物事を見るようになりました。彼女はほんとに変わりましたよ。
それからHさん。明るくノリが良くて楽しいことが大好き、パパブブレに欠かせないポジティブな素質を持ち、上司から見るととってもいい子でしたが、仕事は言われたことだけやる、うまく行かないことに悩んで他責にするなど、もう一歩踏み出して成長して欲しいという思いがありました。TLAPの受講後、きちんと自分ごとに落し込んで考え、態度に落ち着きが出るようになりました。

(臼井)自分に矢印が向くことがキーワードなんですね。

(熊谷)そうですね。もうひとり、Oさんは入社当時は飲み会大好きな男の子だったところから、責任意識を始めリーダーシップを着実に身に着けていってますね。元々ポテンシャルとして柔軟性が高いので、多様性のあるメンバーと良い環境で揉まれることで、どんどん吸収して自分のものにしていっているなと感じます。

(臼井)そのかたの人となりを事前にとらえて、メンバーを選出されているのですね。御社が人ひとりひとりを大切にされていることがわかります。

(熊谷)Oさんが武士道(輪読課題図書)をヒーヒー言いながら読んで議論しているところを見ると、成長したなと思いますし、本当に嬉しいですね。

◆メンバーに対する期待◆

(臼井)受講後のメンバーに期待されていることをお聞かせください。

(熊谷)そうですね、今さらに会社が大きくなって、これまでのベンチャー企業から、「会社組織」に変わったところですから。メンバーひとりひとりが経営者である、という気持ちでパパブブレを引っ張ってほしいなって強く強く思います。ポジションはいくらでもあるんで!!

(臼井)それはメンバーのみなさんの意気込みも上がりそうですね!

(熊谷)今後も社員教育には力を入れていきたいと思っています。こないだの春に初めて新入社員を迎えまして、来年もさ来年も、引き続き人に対する施策については注力していきます。

(臼井)新入社員を採用されたんですね。

(熊谷)そうなんです。フレッシュで将来が楽しみな子たちです。先ほど少し触れましたが、離職率について課題が出てきた頃、「雇用形態を正社員に切り替える」という施策を導入し、思ったほどの改善が見られなかった時期がありました。つまり、報酬や待遇だけが理由じゃない、ということですよね。それがわかってから、TLAPの導入を含めていろんな施策を試みた結果、離職率はかなり改善されました。

(臼井)報酬や待遇というのは、いわゆる人の外発的動機付けですね。それだけではない、離職率の低減に貢献するものはなんだったと思われますか?

(熊谷)なんでしょうかね・・・やはり人ですから、お金、だけじゃなくて「気持ち」の部分だったんだなと思います。

(臼井)気持ち、、、感情とかですか?

(熊谷)感情もそうですし、人に対する尊重だったり、学んで成長するという前向きな気持ちを持てること、だったり、、、、何が変わったっていうのはなかなか言葉にしづらいんですけど、やっぱりその人にきちんと向き合う姿勢なんですかね。

(臼井)なるほど・・・!熊谷さんをはじめ組織の中枢にいるかたが、働くメンバーのことを一社員としてだけではなく "人"として相手を見、向き合うことで、組織全体に大きな影響を与えているのだと、大変感銘を受けました。
本日は色々とお聞かせいただき、本当にありがとうございました!

株式会社PAPABUBBLE JAPAN
業種:菓子製造・小売業
従業員数:100名
WEBサイト:http://www.papabubble.jp/

<会社概要>
2003年にトミーとクリスがバルセロナに創業。オープンしてから瞬く間に世界中のスイーツを魅了し、今では世界30都市以上に展開。日本国内では13店舗に展開していて「世界一おもしろいお菓子屋さん」をビジョンにさまざまなコンフィズリーを発信し続けています。

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